b型肝炎の感染経路として唾液を介するものはあるのか

b型肝炎に感染したくないと考えたり、キャリアの人が他の人に移したくないと思ったりするのはもっともでしょう。感染経路にはどのようなものがあるのかを知っておくことが大切です。どんな接触の仕方なら問題ないのかを正しく理解しておくと安心して人と付き合うことができます。

唾液が感染原因となるかどうかは話題になりますが、b型肝炎の場合にはどうなのでしょうか。

b型肝炎の感染経路は主に血液感染

感染症の感染経路はよく研究されていて、接触感染や空気感染、飛沫感染や血液感染などいくつかの代表的なものがあります。空気感染の場合には同じ空間にいるだけで簡単に移ってしまうので恐ろしいでしょう。飛沫感染でも感染力が強いインフルエンザウイルスのような場合には同じ部屋にいるだけで感染してしまうことがよくあります。

b型肝炎の感染経路は主に血液感染として知られていて、呼気にはウイルスは検出されず、飛沫などにもほとんどウイルスはいません。b型肝炎ウイルスは血液中にはかなりの量が存在しています。しかし、皮膚を透過して他人の身体の中に入ることはできません。

粘膜を通る力も弱いので、キャリアの血液から他の人の血液の中に直接入らない限りはなかなか感染しないのが特徴です。血液感染には水平感染と垂直感染があります。垂直感染として代表例になるのが母子感染で、b型肝炎を患ってしまう原因としても多いものです。

水平感染はキャリアの血液に直接触れてしまったことによる感染が多く、家族内で感染したり、医療従事者が患者からウイルスをもらってしまったり、あるいは性交渉をしたときに感染が起こったりする例が大半を占めています。

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体液にもb型肝炎ウイルスはいる

唾液が感染経路になるかについて考える上では血液以外の部分にどれだけb型肝炎ウイルスがいるかを知る必要があるでしょう。唾液や涙、汗や皮脂などの体内から分泌される液には多かれ少なかれb型肝炎ウイルスが存在しています。

体液中に含まれているウイルスの量は血液中に含まれている量に比べるとかなり少ないため、感染経路としては主なものではないと考えられてきました。そのため、肌と肌で接触して汗に触れたとしても感染が起こったという例は知られていません。

しかし、肌に傷があって血が出ているキャリアに、肌荒れを起こして微細な傷がたくさんある人が触れていれば血液への接触になるので感染するリスクがあるでしょう。汗や皮脂というレベルではあまり問題になることはないですが、直接触れるときには出血しているところがないかを確認することが大切です。

唾液や涙についても同様で、キスをしたり、口移しで食べ物を与えたり、涙を拭ってあげたりするときに傷口があると感染リスクが高まります。また、人によっては体液中のb型肝炎ウイルスの量が多いこともあるので注意が必要です。

体全体にいるウイルス量がもともと多かったり、種類の違いで分布が通常とは異なっていたりすると体液中にも感染を起こせる程度のウイルス量がいる場合があります。体液についても十分に気をつけた方が良いのです。


唾液で感染する可能性もないわけではない

体液の中でも唾液については感染事例と思われるものが多数報告されているので注意が必要です。血液同士が接触するような機会は医療現場でなければほとんどありませんが、家庭内感染や保育園での感染がよく報告されています。

口移しで食べ物を与えたり、食器を洗わないまま使い回したりしているケースがしばしばあるのが家庭や保育園の特徴です。あるいは保育園ではおもちゃをうっかり口に入れてしまい、それを他の子供が触れるというケースもあります。

b型肝炎のキャリアになっている子供に傷口がなくても、他の子供の手指や口などに傷口があると、おもちゃに付着した唾液に含まれているb型肝炎ウイルスが入ってしまう可能性があるのです。歯ブラシの共有によって感染が起こったと推察されている事例もあります。

十分に洗浄されていれば問題はないですが、構造上、歯ブラシは水で流すだけでは十分に洗い流せない場所がたくさんあるので注意しなければなりません。漂白剤などを使って完全に滅菌すれば問題はないでしょう。しかし、そのような手間をかけるよりも、一人一本の歯ブラシを持つようにした方が無難です。

このような唾液を介する感染の懸念がだんだんと抱かれるようになっているため、唾液には特に注意を払いましょう。

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唾液は実はリスクが高い

体液の中でも唾液はもともとリスクが高いものです。口の中を怪我していても気づかないことがよくあるからです。歯磨きをしていて歯茎に少し傷がついても気づかず、うがいをしようとしたら血が出ていたとわかったという経験がある人もいるでしょう。

口の中を噛んでしまったときにも、その瞬間は痛くてもすぐに痛みがなくなってしまいます。それでもなお出血は続いていて口の中には血液があるということがしばしばあります。口の中に血だまりのようなものができてしまう人もいますが、それが何かの拍子で破裂しても痛みがないというケースもあります。

このように口の中には血液が含まれていることが多く、唾液なら大丈夫だと思っていたら血液入りの唾液だったから感染が起こったといったことも考えられるのです。

このくらいでは通常は感染しない

血液感染だけでなく唾液などの体液を介して感染するリスクがあるとなると、b型肝炎のキャリアは他の人と接点を持たない方が良いのではないかと誤解してしまうかもしれません。しかし、基本的には日常生活の中で感染が起こるリスクはかなり低いので心配はないでしょう。

例えば家族で同じお風呂に入ったとしても、著しく出血しているような場合を除けば感染するリスクはほとんどありません。抱き合ったり、握手をしたり、一緒の布団の中で寝たりしても大丈夫です。食器を共用したとしても口の中に直接入れるもの同士で触れなければあまり問題にはならないでしょう。

激しいスポーツをするときなどは怪我をしないかどうかには気をつけなければなりませんが、陸上競技のように接触するリスクが低いものであれば差し支えありません。このくらいの接触であれば感染することはほとんどないと覚えておけば、社会での付き合いをすることも難しくはないでしょう。

唾液でも感染すると考えると敬遠してしまう人もいますが、偏見を持たずに付き合うことが大切です。

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