b型肝炎に感染する経路や症状、肝炎について

普段生活していて、患者の方やキャリアの方以外で肝炎について聞く人はあまり居ないかもしれません。しかし、感染経路や感染するであろう事例を見てみると、とても他人事ではないと感じるほど怖い病気です。誰にでも感染するリスクがあり、感染して、一過性もありますが、慢性化するとどれだけリスクが高まるのかを挙げてみたいと思います。


まずは、B型肝炎とは?

B型肝炎の原因ウイルス、B型肝ウイルス(HBV)は、1964年にオーストラリア抗原として発見されます。当初の研究方法は免疫血清学的手法でしたが、1979年にウイルスゲノムがクローニングされてから、飛躍的に知見が進展したようです。


かつて日本のとっていた肝炎対策とは

日本では1972年から、輸血、血液製剤用血液のB型肝炎スクリーニングが開始されました。また、1986年から母子感染防止事業が実施されて、垂直感染でのHBV無症候性キャリアの発生は減少しています。ですが、対象児童の10%で予防措置の脱落や胎内感染による無症候性キャリアの報告がされています。

まだまだ、完全に取り除かれるわけではないという事です。重要なこととして、避けて通れないのが過去に起こった集団感染です。国として対策をとっていたにも関わらず、国の推し進めた集団予防接種での事故が起きました。

国の指導の徹底がなされず、今では考えられない注射器(筒、針)の使いまわしがあったのです。労力とコスト、この少しの手間を惜しんだがために、今も国の政策によって引き起こされた病気によって肝炎ウイルスと戦っている人がいます。

この注射器(筒、針)の使いまわしは、戦前から感染症を拡大させるとして、禁忌とされていました。それにも関わらず、このようなことが起きてしまいました。さらに言えば、いまだに戦っている方がいるという事は、解決していないのです。

一番最初の訴訟で、和解案が裁判所から出されるまでにかかった年数は17年です。あまりにも途方もない時間がかかっています。この時の原告団と弁護団は、この長い期間で亡くなる方もいたことを踏まえて、和解に合意したようです。

2011年、当時の管首相が国の責任を認めて、裁判に訴えている人たちに謝罪して、やっと動き出し救済が始まりました。

国が認めた集団予防接種でのB型肝炎感染の救済策とは

「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」です。裁判上の和解等が成立した人に対し、法に基づく給付金が支給されることになりました。給付金は病態等の個人差がありますが、最大で3、600万円にもなります。

合わせて読む:b型肝炎は完治しない?

今のB型肝炎は

2002年の世界保健機構(WHO)の推計でHBV感染者は世界で20億人、HBV持続感染者は3.5億人で、年間50から70万人が亡くなっていると報告されています。しかし、この主だった国はアジアやアフリカに集中しており、北米、ヨーロッパ、日本などは、感染頻度は低い国だと言われています。

しかし、それでも感染は起きています。では、持続感染を考えてみます。この持続感染は、出生時または乳幼児期の感染よって成立とされています。成人期での初感染では、消耗性疾患や末期がんなど免疫不全状態を除けば、持続感染化することは稀だと言われています。

持続感染が成立していると、大部分は肝機能正常なキャリアになり、免疫機能が発達すると不顕性の肝炎を発症します。しかし85から90%は最終的に肝機能正常の無症候性キャリアになると言われています。しかし、残り10から15%が慢性肝疾患に移行し、肝機能異常持続してしまうようです。

一過性の場合はというと、どうでしょうか。70から80%は不顕性感染でおわるものの、残りの20から30%では急性肝炎を発症します。このうち2%が劇症肝炎を発症し、この場合の致死率は70%になるといわれています。

現在の感染経路や症状は

急性B型肝炎は、比較的ゆっくりと発病します。微熱、食欲不振、全身倦怠感、悪心、嘔吐、吐き気、黄疸、上腹部膨満感等、なんだか風邪の時の症状のようですね。黄疸が出現するのは成人例で30から50%、小児例で10%以下だと言われていて、重症のケース以外では1か月程度で回復する場合が多いです。

免疫機能に異常がなければ、回復する過程でHBVは体から排出されて、キャリア化することはないとされています。免疫不十分な幼児、免疫機能が低下する病態や免疫抑制剤の投与などがある場合、キャリアへ移行する場合もあると言われています。

このB型肝炎は、感染経路が限られているとはいえ、やはり何より怖いのは人に移してしまう可能性があるということです。先述しましたが、現在は母子感染防止策がとられていますので、垂直感染はほぼ起こらないと言われています。

それと同じく、注射器(筒、針)も今ではきちんと厳しく管理をされています。それでも肝炎はなくなりません。なぜでしょうか。それは、垂直感染ではなく水平感染です。近年多く報告される事例として言われているのが、性交渉での体液の接触、唾液等からの感染です。

先述した注射器の事例もこの水平感染に当てはまります。ですが、今では、医療環境の整備、輸血に使われる血液への適切な検査の実施で、この部分での感染は現在ではほぼ見られません。そこで話に上ってくるのが医療から離れた場所での事です。

この水平感染には、ピアスの穴開けや入れ墨等も関係があります。無症候性キャリアの方は、自分がキャリアであることに気づいていないまま、避妊具を使わずに性交渉をすると、パートナーや、その時の相手に無自覚に移すことになります。

近年の事例は、こういうものが多いそうです。これは、男性と女性だけでなく、男性同士でも起こります。確実ではないものの、不特定多数との性行為は控えるのと、避妊具の使用は必ずして、自衛を考えることが推奨されています。

例えば、ピアスの穴開けに使ったものが誤って誰かに刺さってしまったらどうでしょうか。けがをしたとき、自分の血が誰かに接触するなど色々なシチュエーションが考えられますね。歯ブラシや髭剃りなども血液が付きやすいので注意です。

HBVは体液、血液で感染します。空気感染、経口感染はしません。日常生活の場で、体液や血液の付着さえ気を付ければ、感染はしないのです。ですので、自分がキャリアではないか、パートナーはどうか、それを知るだけでも自分もパートナーも安心できるのではないでしょうか。

合わせて読む:b型肝炎について感染経路など、多くの人が不明に感じていることを紹介します